当院では線維筋痛症治療薬の治験を数件実施したことがあり、線維筋痛症患者さんを定期的に診察しています。線維筋痛症についての診断、治療については、学会のサイトなど*で詳しく説明されています。当院外来に通院している線維筋痛症患者さんについてですが、症状、所見が個人ごとに大変異なることが印象的です。痛みの程度、場所、随伴症状、発現時間などほとんど違います。さらに、血液検査、画像所見などでの確定的な診断基準がないので、線維筋痛症を念頭に置かない限り診断は難しいです。生活習慣病で何年も通っている患者さんから昔からある痛みの相談をうけ、診察したところ線維筋痛症だったという事がありました。それまで多くの病院を受診しても原因不明だったそうです。
線維筋痛症患者さんの症状、所見がそれぞれ違うことが多いですが、数少ない共通点としては、寒くなると悪化することです。線維筋痛症にはいくつか薬剤もありますが、日常生活での悪化因子を丹念に除く必要があります。その中でも最も重要なのは、体を冷やさないことです。
* https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm120/kouza/senikintsu.html
公益財団法人日本リウマチ財団ホームページ リウマチ情報センター「線維筋痛症」