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肘先は感染のウィークポイント

皮膚は表皮真皮からなり、下に皮下組織があります。皮膚の傷などから細菌感染が起こることがありますが、多くの場合、感染巣は感染部位を中心とした一定の部位に限局して、それ以上広がりません。まれに、感染が皮下組織まで及ぶと皮下組織を這う形で感染が一気に広がることがあります。足の小さな水虫の傷から下腿全体に広がる感染が起こることがあります。このような感染症を蜂窩織炎といいます。足の蜂窩織炎がひどくなると組織の内部の圧力が高くなり、血流やリンパ流が低下して免疫細胞の動員が遅れ抗生剤の局所濃度も不十分なため更に治りにくくなり、悪循環を起こし、最悪の場合壊疽になります。皮膚感染症や蜂窩織炎は健常者でも起こり得ますが、糖尿病患者では細菌の栄養となるグルコースが組織に多くあるので、より起こしやすいです。糖尿病性神経障害を合併している糖尿病患者は、足先の知覚が特に低下するので、足の蜂窩織炎を起こさないように足を清潔に保つこと、足の状態をよく観察するよう指導されています。
  足の蜂窩織炎は、糖尿病患者では比較的よく見る疾患でありますが、意外なことに肘先からの感染に起因する蜂窩織炎も比較的多く見ます。肘は、皮膚が薄く、皮下組織も極めて薄いという特徴があります。皮下組織が乏しいと感染時の局所での免疫反応が充分でない可能性があります。また、肘先は視認しにくいという点もあります。痛み違和感などで気づいた時には、感染がすでに広がっている可能性があります。しかし、膝も肘先と同じような解剖的位置づけですが、膝由来の蜂窩織炎の経験は個人的にはありません。その理由ですが、膝は容易に観察できるので、早めに感染に気づくことが出来ること、肘先より皮膚が厚いことなどが推測されますが、確かのところは不明です。何れにせよ、糖尿病の有無に関係なく、肘先は感染のウィークポイントですので、こまめに見ることと清潔に維持することが大切です。