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ピロリ菌検査の難しさ

  無いことを証明することほど、難しいことは無いです。一般に、臨床検査で陽性と出た場合は、陽性と判断して問題ありません。陰性の場合は、実際は陽性なのに陰性、すなわち偽陰性である可能性があることを、常に意識する必要があります。新型コロナ感染症のPCR検査では、感染が下気道中心で十分なウイルス量がないこと、RNAウイルスであるためサンプルの扱いが困難であることもあり、症状がある症例でさえ偽陰性になることが問題になっています。
  ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に胃が感染すると慢性胃炎になり、胃十二指腸潰瘍・胃がん・胃MALTリンパ腫等を引き起こします。ピロリ感染がなければ、胃がん発生はそうとう低くなるので、ピロリ菌感染を見つけるのは大切です。
  ピロリ菌の検査には、尿素呼気テスト、血清抗ピロリ菌抗体検査、尿中抗ピロリ菌抗体検査、便中ピロリ抗原検査、(内視鏡での)迅速ウレアーゼテスト、鏡見法、培養法があります。内視鏡検査前の聞き取りで、ピロリ菌は“以前の検査で陰性“除菌療法で陰性になった”場合でも内視鏡でみると慢性胃炎があり、迅速ウレアーゼテストが陽性であることを少なからず経験します。血清抗ピロリ菌抗体検査では、検査では10U/ml未満が陰性です。
しかし、3.0~9.9U/mlでも10%−20%程度で偽陰性(ピロリ陽性)となることが分かっています。3.0~9.9U/mlで陰性との判定を受けていた患者さん本人は、“自分はピロリ陰性”と認識している可能性があります。また、ユービット尿素呼気試験では2.5‰(パーミル)未満が陰性判定ですが、1.0‰以上の場合ピロリ菌陽性であることがしばしばあります。ピロリ菌の検査を受けて、陰性であった場合には、検査値も把握しておくのが無難と思われます。

 日本ヘリコバクター学会 http://www.jshr.jp/pdf/info/topics/20150630_igg.pdf