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酸素は21%が丁度よい

  人間を含む生き物は、大気から肺を通じて酸素を取り込み全身に送りエネルギーを産生して生命活動を維持しています。地上での大気圧は約1気圧760mmHgで酸素濃度は21%なので、酸素分圧は約160mmHgとなります。鼻や口から吸い込んだ空気は、気管、気管支、細気管支を経て肺胞に至ります。肺胞の酸素分圧は約100mmHgとなります。肺胞は毛細血管と接していて、血管内の赤血球に存在するヘモグロビンに酸素が受け渡されます。毛細血管の酸素分圧は約95mmHgとなります。この酸素分圧では、ヘモグロビンが酸素と結合している割合、動脈血酸素飽和度(SaO2)はほぼ100%になります。SaO2は、パルスオキシメータで測定した酸素飽和度SpO2 とほぼ同じです。肺で十分に酸素化されたヘモグロビンは赤血球で全身に送られ酸素を供給します。末梢組織に酸素を供給したあとの静脈血の酸素飽和度は75%です。二酸化炭素は血液に溶解して肺に戻り、肺胞を経由して鼻や口から排出されます。
  健常人は地上で21%の酸素を含む大気で呼吸することで、全身に十分な酸素が供給されることになります。血液に溶解できる酸素は極めて少なく、ヘモグロビンに結合する酸素の量は一定です。ですから、50%酸素を吸っても肺胞の酸素分圧は約300mmHgですが、酸素飽和度は100%のままで全身への酸素供給能力は変わりません。さらに、酸素にはあらゆる物を酸化させる働きがあります。鉄も酸化で錆びてボロボロになります。健常人の大気より高い濃度の酸素の吸入は、酸素の末梢への供給を増やさないだけでなく、酸化による臓器障害を悪化させる危険があります。百害あって一利なしとなります。ただし、肺疾患のため肺胞での酸素の受け渡しの効率や換気の効率が悪い場合、循環に問題がある場合、登山など大気の酸素分圧が低い場合、運動により酸素需要が高い場合は、大気より高い濃度の酸素を使う意味があります。このような場合は、十分な安全域を考慮しながら使用されています。